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お口のケア

歯みがきと癌

以前のコラムで、口の中のがん = 口腔がん について取り上げました。今回はがんの予防や治療に歯みがきが重要な役割を果たす、という話です。

歯磨きと癌の関係性

毎日の歯みがきの目的は、むし歯や歯周病、口臭の予防などのためと考えている方が多いと思います。それはもちろんそのとおりなのですが、愛知県がんセンター研究所が、歯みがきの習慣とがんの関係を調べたところ、以下のような結果が出たそうです。
—1日に2回以上歯を磨く人は、1回磨く人に比べて、口腔がんや食道がんのリスクが3割低く、また、全く磨かない人は2回磨く人に比べて、2.5倍のリスクがある。—
歯みがきの習慣とがんの発症リスクにどのような関係があるのか、現時点では十分にはわかっていません。しかし、お口のなかを清潔に保つことで、口腔内の細菌の数をコントロールしていることと関係があるのではないかという見方がされています。お口のなかのプラークはいろいろな種類の細菌の集合体で、なかには発がん物質であるアセトアルデヒドをつくる細菌もいます。歯みがきをすることでそういった細菌や生成されたアセトアルデヒドの数を減らすことにつながっているのです。

 

歯の残数と発癌リスク

また歯みがきの習慣も手伝って、残っている歯の本数が多いと、発がんリスクが低いという調査結果もあります。歯を多く失ってしまうと、かみ合わせなどが悪くなることがあり、そうなると残った歯がお口の粘膜や舌を刺激して傷ができてしまいます。さらに入れ歯の具合が悪くてできてしまう傷もあります。これらの傷が同じようなところに繰り返し繰り返しできるうちに、その結果としてがん化してしまうことが原因として考えられます。
がんの治療で抗がん剤を使用したときに免疫力が低下することがあります。このとき放置されたむし歯や歯周病があるとさらに悪化する可能性があります。また、放射線治療時に未治療のむし歯があるとあごの骨に炎症が起こるなどの副作用がでることもあります。事前に治療しておくことと同時に歯みがきで良好な状態を保つことが重要なのです。

いうまでもなく、がんは死につながる病気です。毎日の歯みがきの習慣が、少しでもそのリスクを下げてくれると思えば、歯みがきをつい忘れてしまう方とか、面倒くさいと思ってしまう方も、より身を入れて歯みがきに励めるのではないかと思います。

スタッフ2

歯科衛生士

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歯についての豆知識や雑学など、さまざまなジャンルのことを更新していきます。