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お口のケア
奥歯を守るシーラント
奥歯には細く深い溝があって、ブラッシングだけではなかなか完全に歯垢を取り除くことができず、むし歯菌がたまりやすくなっています。今回は奥歯のむし歯予防に有効なシーラントについて書きます。
奥歯は虫歯になりやすい?!
奥歯は、食べ物を噛み砕いたり、すりつぶす働きをしています。1本なくなっただけで、かみくだく能率は約40%も低下するといわれています。
しかし、前述のようにむし歯菌がたまりやすいので、むし歯になりやすい歯でもあります。 なかでも乳歯や生えてきたばかりの永久歯は、とても歯の質が弱く抵抗力がないため、よりいっそうのケアが必要です。6歳ごろから生えるので、「6歳臼歯」とも呼ばれる「第一大臼歯」は、その生える時期がまだお子さんが歯みがきが上手にできない時期であること、かむところの溝が深く物がたまりやすいこと、(むし歯になりやすい)生え始めてから生え終わるまでの期間が長いことなどから、ことさらむし歯になるリスクが高いとされています。
シーラントとは
6歳臼歯をはじめとして、このような奥歯(特に乳幼児期)のむし歯予防に有効な方法がシーラントです。シーラントとは、奥歯の溝やくぼみをきれいに掃除をして、再び菌が入らないように、プラスチック系やセメント系の材料で埋めることです。歯を削ることはなく、きれいに掃除をして埋めるだけなので、痛みもなく非常に簡単な処置です。治療費も決して高価なものではありません。奥歯のむし歯予防も、基本はもちろんブラッシングですが、複雑な溝を埋めることで、歯ブラシも当たりやすくなります。
いくつか注意が必要な点もあります。シーラントは、3~6ヶ月で自然に取れますので、定期検診を受けてチェックして、脱落した場合にはやり直す必要があります。また、シーラントで予防できるのは、歯の咬合面だけなので、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間からむし歯にならないようケアが必要です。
シーラントは、奥歯のむし歯予防に有効ですが、シーラントだけで完全に予防できるというものではありません。日ごろのブラッシングやフッ素塗布などと、合わせて行うことで、奥歯をむし歯から守りましょう。
歯科衛生士
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