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えとせとら
歯を削る音が痛い
歯科恐怖症とまではいかなくても、歯が痛くても歯医者に行くのが億劫だ、嫌いだという方はいらっしゃると思います。小さいころ歯医者さんで怖い思いをした、消毒液のような独特のにおいがなじめない、などが原因かもしれません。そして今回の「歯を削る音」を歯医者嫌いの理由にあげる人も多いでしょう。
どうして痛く感じるのか?
あのキーンという歯を削る音を待合室で聞くとなんだか痛みを連想してしまうし、実際の治療でも音はするのに口のなかで何が起きているか見えず、音と振動だけを感じ、ますます不安を感じてしまうというところでしょうか。
歯を削る器具は、大きく分けてエアータービンとマイクロモーターという二つです。
エアタービン
キーンという高い音がするのはエアータービンです。圧縮した空気で風車を回して、削るためのドリルを回転させるのです。高圧で圧縮された空気が、器具の穴から一気に外に排出され、そのためにあのキーンという高い音が出ます。ドリルの回転は1分間に30~50万回も回転し、短時間で歯の表面の固いエナメル質などを削ることができます。
削る振動はあまりありませんが、高速回転なので熱が発生します。そのため冷却のための水をかけながら削ります。ですので水を吸い取るバキュームを併用します。口の中ではけっこうな量の水が溜まってくる感じがしますが、数十秒使っても 10~20cc程度です。
マイクロモーター
もう一方のマイクロモーターという器具は毎分100~20000回転くらいと回転数の範囲が広く、調整しながら削ることができます。音はエアータービンほどではありません。回転力がエアータービンより強く、その分、振動やゴトゴトした響きが伝わってしまい、不快に感じることもあります。エナメル質の内側の象牙質を削ったり細かな形を整えるのに向いています。
歯科医はこれらの道具を歯の状況に合わせて、車のギアチェンジのような感じで使い分けています。
音を気にさせない工夫
現在の技術では、歯科治療から音や振動をなくしてしまうことは難しいのが現状です。そのなかで音や振動に対して、不快感や恐怖感を和らげるために音楽を流してくれたり、音の小さいドリルを備えている歯科医院もあります。また、最近の歯科治療ではできるだけ歯を削らないという方針が主流になっていて、多くの歯科医院で実践されています。
歯科医院でのあの高い音の発生源やその器具の役割がわかったところで、恐怖心はなくならないかもしれませんが、少しでも薄れていただけるように、と書いてみました。
歯科衛生士
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